うめのかさね − 梅のかさね


白梅かすかに染まるかさね色


凪いだ海のかなたから
しらじらと明けてゆく初日を描いたお菓子
「新生(しんせい)」です。

白にうっすら蘇芳が透けて見える配色が
「梅」のかさねの色目。
かさなった部分が紅をさしたように見えますが
白梅をうつしたものになります。

二〇〇八年の睦月に紹介したのが、紅梅色。
二〇〇九年は、二色でみせる白梅の色みです。

平安時代には、白梅は香りを、紅梅は色を
愛でたといわれます。

二年前、新年のためにと
母が手折った枝が、白梅の花でした。
その情景は浮かんでくるのに
香りを覚えていないのは
そのとき摘みとっていたセリの香りにばかり
気をとられていたせいでしょう。

白梅の香りのかわりに残っているのが
このお菓子に、かすかに感じられた甘酸っぱさです。



【梅】
 
表に白、裏に蘇芳をかさねて、白梅を表した色目。白
が花、蘇芳が枝の色になります。配色にはいくつかの
説があり、蘇芳の代わりに、紅梅色、淡紅色のことも。
この配色は、十一月から二月まで身につけられました。
ちなみに蘇芳は、「師走」の項で紹介した色になります。





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