ひいろ − 緋色


太陽が輝くような黄みの赤


1月らしいお菓子。
しかも、その年だけのものといえば
お題菓子です。
それは新年に宮中で行われる
歌会始のお題にちなんだお菓子のこと。

ひとつの題をもとに歌を詠む歌会は
奈良時代から行われていたようです。
天皇によって催される歌会は
鎌倉時代中ごろからはじまったとされています。

明治になって国民も参加できるようになり
勅題菓子ともお題菓子ともよばれる
和菓子がつくられるようになりました。

今年のお題は「立」。
「勅題『立』 旅立ち」と名づけられたお菓子は
日の出を思わせる緋色。
沖に漕ぎ出でた舟から見えるものは、さて……。

なんだろうと想いをめぐらせた頭に
浮かんできたのは
朝日に紅く染まった紅富士でした。



【緋色】
 
黄みがかった鮮やかな赤のこと。「あけ」とも読み、
飛鳥時代には「真緋(あけ)」として冠位十三階の
上から四つめにあたる色に定められています。濃く
染めた「深緋(こきあけ)」、浅い色あいの「浅
緋(あさあけ)」、能装束に使われる「猩々緋(し
ょうじょうひ)」など、緋色の種類もさまざまです。





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