あさみどり − 浅緑


雪の野にみる早春の色


ころんとしたつぼみのような、
「ふきのとう」です。

まだ雪の残る時季に
そっと顔をのぞかせる春の山菜は、
陽が少ないなかで育ったせいか、
まだ浅い色。

姿かたちは柔和ながら、
味わいには、ほろ苦さが漂います。
この苦みを逃してしまうと、
なんとなく物足りない気持ちに……。

摘まずにおくと背たけて、
薄黄の花を咲かせます。
「とうが立つ」という言葉がありますが、
この花を咲かせたお菓子を見ていると、
とうが立つ、それも良し、
という心境になってきます。




【浅緑】
 
春霞がかかったような淡い緑。緑には青みがち、黄み
がち、とありますが、平安時代には青と緑の区別があ
いまいでした。それは、緑そのものを染める植物染料
がなかったこともあるでしょう。藍と黄系統のかねあ
いから、あらゆる緑色が生み出されていきます。




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