もものかさね − 桃のかさね


紅、白、緑の三重がさね


「小さきものは、みなうつくし」
清少納言が『枕草子』で、そう書いていたのが
なんとなくわかる気がします。

ふと見まわせば、少しずつ増えてきたひな飾りも
小さなものばかり。
はまぐりの貝にのった女びなと男びなは、親指ほど。
押絵がついた屏風も折りたためるほど小さくて
女びなと男びながふたり寄り添う絵柄も豆皿。

そして、今年加わった「ひな六角二段箱」も
二段目の和紙のひな飾りとかさねても
片手におさまるくらいです。

ひな道具を眺めているだけで
ままごと遊びの世界に入っていけるのも
小さなもの好きに通じているのかもしれません。

意識していないようで
すべては小さな選択のうえに成り立つもの。
きっとこれからも増えてくるのは
小さなもののような気がします。



【桃のかさね】
 
淡紅、白、萌黄の三重がさね。桃の花、雪、新
芽を表すともいわれます。このお菓子でいえば、
女びな、白梅、貝の色あわせ。かさなりではな
く配色でご覧いただくことになりますが。かさ
ねの色目は二色が主流で、桃のかさねは淡紅と
萌黄。そこに白をはさむと桃の三重がさねです。





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