べにふじ − 紅藤


江戸に生まれた薄紫の色


この花色を見かけはじめると
梅雨どきが近いことを知ります。

あふるるほど棚からさがった花房は
あでやかでなよやか。
特別なしつらえがないところを
花かんざしのように山藤が彩っているのも
なんとも贅沢な光景です。

この色に、静けさをそなえた
品位ある女性を重ねてしまうのは
源氏物語の藤壺の女御が
浮かんでくるからでしょうか。

少々気おくれしていたこの色を
つい最近すすめる人がありました。
その着こなし方として示されたのが
濃淡の紫を合わせた
ちょうどかさねの色目。

今どきの二十代の女性でしたが
意識するとはなしに和の色彩感覚が
身についているのかもしれません。



【紅藤色】
 
赤みがかった藤色が「紅藤」。青みがかった藤
色が「藤紫」。どちらも江戸時代にあらわれた
色名です。今回のお菓子の銘は「藤むらさき」
でしたが、本来の藤紫色より赤みが勝っている
と思い、ここでは紅藤として紹介しました。




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