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吉野
日本の花といえばさくら。
季節には少し早い3月初めから、散りぎわの4月まで
さくらにちなんだ和菓子が並びます。
その形に、色に、情景に、和菓子職人のさくらの捉え方が見えてきます。
かさねの色目にも紅桜、白桜、花桜、薄花桜、桜重、葉桜など種類が多いのも
さくらへの特別な想いの表れでしょう。
おなじ色による濃淡のぼかしを「匂い」といいますが
淡紅がわずかずつ色を変えていく、
この和菓子たちも、さくらの匂いとなりました。
*かさねの色目
平安王朝に生まれた、かさねて見せる色あわせのこと。
その見せ方には、2通りあります。
ひとつは、きものの表地と裏地の色あわせ。
もうひとつは、きものを重ね着して見せる色あわせ。
どちらも、襟もとや袖口、裾などにのぞく配色に
季節の風物が表されます。
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