ふたあい − 二藍
ふたつの藍で染めた紫
日ごとに長くなる、秋の夜長。
長月という呼び名も、夜長月からきたものだそう。
冷えてきた外気に夜景もくっきり冴え
その空に月を探すことが多くなりました。
今日は新月で、残念ながら月は見えませんが
こんな日こそ、二藍の空に月が浮かんだ
「名月」をいただきつつ、夜長を楽しみたいもの。
このところ季節の変わりめのせいか
つい眠りに引き込まれそうになりますが
夜になるにしたがって目は冴え
また夜長を楽しむの繰り返しです。
その日の気分によって読む本を
どれにしようかと選ぶのも
うれしいひととき。
たまたま今日、手にした句集も
気づいてみれば『月を仰ぐ』。
意識せずに求めた本まで月にちなんでいたとは
自分でも意外ですが
星野立子の句で眠りにつくとしましょう。
【二藍】
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赤みの紫。青みの紫とする説もあります。赤みから青み
まで幅が広いのは、藍と呉藍(紅花)のふたつの藍で染 めた色で、その合わせ方によって色あいが異なるためで す。平安時代は夏に盛んに用いられた色で、年齢が若い ほど赤みに、年を重ねるほど青みにしたとされています。 |