こんじき − 金色


輝きをはなつ黄色


白秋とも金秋ともいわれる、秋。
それは五行思想からきている呼び名です。

その色にちなみ、秋に吹く風をあらわした
「金風」という銘のお菓子です。

このお菓子の色は、まばゆい金とは異なる
蒔絵の沈金を思わせる、底光りするような色。
谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』にあらわされたような
静けさのある美しさ
とでもいったらいいでしょうか。

乏しい光を受けて照り返すような色あいが
好ましくなります。

いま女性の間では
キラキラしたものが流行りですが
時には月明かりや蜜ろうの灯に照らされた
金色を見るほうが、心が静まる気がします。

そんな過ごし方のあう秋の夜長ですが
長月も、今日でおしまい。
明日から、また新しい月がはじまります。



【金色】
 
黄金のような光沢のある黄色。「こんじき」「きんい
ろ」「きんしょく」とも読みます。黄金色と同じ色。
直接的な色名をいわず、似た色の山吹色といわれる
こともありました。金色に近い色みには、ほかに金
茶もあります。それは、江戸時代になって生まれた
四十八茶百鼠の中の一つで、濃い赤みの黄色です。





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