くりかわいろ − 栗皮色
赤みがかった濃い茶色
窯場をまわると
料理上手な奥さまによく出会います。
ご主人がつくられた焼物に
その土地のものでつくったお菜が並び
郷土食のお店かカフェかと思うほど。
少し年配の方になると
お手製のお菓子でもてなしてくださいます。
あるところでは、甘く炊いた大福豆をふわりとまとめた
鹿の子のようなもの。
あるところでは、豆皿にのった栗の渋皮煮。
それが、なんとも風味がよく
もうひとついただきたい気持ちを
ぐっと抑えるのに苦労しています。
栗の木がある実家では
その実はとても身近にありました。
秋になると送られてくる栗は
すぐに栗ごはんに炊けるようにと
母が皮をむいてくれたもの。
それがどんなに手間のかかることか
不肖の娘は、最近になって知りました。
このお菓子「丹波路」は
菓子職人さんが手間をかけて皮までかたどったもの。
皮から栗風味の餡まで
そのままおいしくいただけます。
【栗皮色】
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栗の皮のような赤みの茶色。栗色や『源氏物語』の一
節に出てくる落栗色を、同色とする説もあります。一説 には、栗色は明るい茶色、落栗色はつやのない黒みの 褐色とする説も。同じ色調であることに変わりありませ ん。似た色に、檜皮色があります。こちらは檜(ひのき) の皮のような色、もしくは皮で染めた赤茶色のことです。 |