みるちゃ − 海松茶
赤茶をふくむ海藻の色
赤松、黒松、五葉松。
松にはいろいろあるけれど
海松と書いて“みる”と読む
海藻の松もあります。
“みる”で海にちなむものといえば
すし種のミル貝が浮かびますが
それは、海松を食べているように見えることから
名付けられたとか。
海松そのものは、あまり見聞きしませんが
万葉のころ、盛んに歌に詠まれ
食されたといいます。
その海松色を、赤茶に傾けたのが海松茶。
このお菓子でいえば
へたの色にあたります。
渋みのある写実的なへたと
ういろうで味噌あんを包んだ、ぽわんとした実。
その取りあわせに、どことなくおかしみがあり
求めた「柿」です。
【海松茶】
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赤茶がかった深い緑色。平安時代から身につけられた
海松色は、浅い海の岩についた海藻の海松のような 色。江戸時代になって、四十八茶百鼠(しじゅうはっ ちゃひゃくねず)といわれる茶色や灰色の系統が生ま れ、その流行の茶をふくんだ色が海松茶です。同系色 には藍海松茶もあり、どちらも渋みのある粋な色です。 |