にっけいいろ − 肉桂色
芳しいニッキの赤茶色
小京都は、全国にありますが
先日訪ねたのは、秋田の角館。
仙台から向かう列車の車窓から
照りはえる紅葉が見えました。
山々の、緑葉、黄葉とあるなかに
真紅に染まった葉が、ひと群れ、またひと群れ。
それを見つけていくのが楽しくて
うつらうつらしていた眼も、すっきり。
旅気分を味わえました。
その時は、紅葉狩りとはいきませんでしたが
お菓子なら、こうしてゆっくり「もみじ」を味わえます。
いつもなら、黄葉、紅葉とかわりゆく
練りきりのお菓子をいただくところですが
今回は、葉の縁が繊細に表された
艶干し錦玉(つやぼしきんぎょく)にしました。
肉桂色のもみじをいくつも並べては
秋を楽しみ、ひとつ、ふたつと、口のなかへ。
しゃりしゃりとした甘さがとけていき
少し冷えてかたまりつつあった心と体を
ふぅーっと解き放ってくれました。
【肉桂色】
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おだやかな赤茶色。シナモンに似たニッキ(肉桂)
を乾燥させた樹皮の色です。シナモンスティック より、明るめの色をイメージするとよいかもしれ ません。ニッキといえば、駄菓子のニッキ玉もあ りますが、京都の生八つ橋にも使われています。 |