あおもみじ − 青紅葉
色づきかけた葉のかさね色
夕紅葉、むら紅葉、下紅葉……
紅葉にまつわる季語はたくさんありますが
かさねの色目も、それに劣らず
初紅葉、青紅葉、黄紅葉、楓紅葉、
紅葉、櫨紅葉など、さまざま。
その字を眺めているだけで
移りゆく季節を感じられます。
「野路」と名づけられたこのお菓子、
柿をかたどっていますが
その色は照り映えるとまではいかず
まだ、おだやかな色。
かさねの色目でいえば、青紅葉です。
仙台ではちょうど今ごろの
色づきはじめた木の葉のようです。
寒暖の差が大きいほど
木の葉は赤みを増し
くだものは甘みを増します。
猛暑から秋へと急加速した今年は
木の葉の色も、くだものの味わいも
より深まるかもしれません。
人としても、円熟みが増す
となるとよいのですが。
【青紅葉】
|
|
青と朽葉のかさね色。まだ色づいていない青葉と、色
づきはじめた木の葉、2色のかさねの色目です。平安 時代には紙の色として、鎌倉から室町時代の文献に は狩衣の色に用いられたと記されています。ちなみに、 似た言葉に青楓がありますが、こちらは初夏の季語。 青紅葉は季語にはなく、秋にまとう色目になります。 |