あかくちば − 赤朽葉


赤みをおびた落葉を表すかさね色


そろそろ冬支度と思っていたら
また寒さがほどけ
木の葉も、染まろうか、染まるまいか
とまどっているかもしれません。

そんな色づきかけた落葉を
「吹き寄せ」の干菓子のなかに見つけました。

自然のほうはまだ少し、もみじ狩りには早いかも
と思いつつ出かけた宮城県南部の角田。

そこで、かやぶき屋根の葺き替えを
見ることができました。
江戸時代後期の農家を移築したという
国の重要文化財、旧佐藤家住宅です。

職人さんが手を動かしているのに見とれていたけれど
ふと気づくと裏手には
光を発しているかのような、見事に染まった黄葉。
仏像の光背を思わせる光景は
一幅の絵のようでもありました。



【赤朽葉】
 
お菓子でいえば、手前のひと葉。経紅緯洗黄と黄によ
る、かさねの色目です。経紅緯洗黄(たてくれない よこ
あらいき)とは、見た目には淡い朱色のこと。実際には、
経(たて)糸を紅色、緯(よこ)糸を洗黄(洗ったよう
な黄)で織った色のことです。朽葉を表すかさねの色目
には「青朽葉」「黄朽葉」「朽葉」があり、いずれも秋
色ですが、赤朽葉は晩秋前に身につけられたようです。





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