あずきいろ − 小豆色
江戸にはじまる灰みの赤
伊豆沼という宮城県北にある水辺に
雁が飛来するころになりました。
夕暮れどきに雁を追いかけて
茜色に染まった空を背景に、群れ飛ぶ様子を撮るのに
立ち合ったことがあります。
このお菓子の情景は、それよりもっと遅い時間。
「月夜の雁」です。
この雁をかたどっている部分が、小豆色。
冬には寒さにそなえ
小豆粥を食べる習わしがあります。
赤い色が、けがれをはらうとされ
かつては1日と15日に
お赤飯をいただくこともあったようです。
それにならって、今年に入ってから毎月初め
1日の日にお赤飯を食すようになりました。
できあがったお赤飯をおひつに入れ
いただくだけで、あらたまった気持ちになります。
体にはもちろんですが
心にも、良いような気がします。
【小豆色】
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赤小豆の実のような、くすんだ赤。このお菓子の雁に
あたります。小豆は、『古事記』にも見られるものの、 色名としては江戸時代から。小豆で染めたのかと思っ たら、何で染められたのかも、よくわからないといいま す。季語でいえば8月ですが、収穫は10月ごろ。12月 の冬至に食されることから、冬の色として紹介しました。 |