はじもみじ − 櫨紅葉
ハゼの紅葉を表わす黄と蘇芳のかさね色
とある店先に
水連鉢に泳ぐ金魚とともに
はらりと浮かんでいた紅い一葉。
風が運んできたいたずらを
そのままにしているのだそう。
そんな風情も、秋だけのもの。
初紅葉、紅葉、青紅葉、黄紅葉、紅紅葉、
櫨紅葉、黄櫨紅葉、楓紅葉、もじり紅葉、散紅葉……。
これらはすべて、かさねの色目。
こんなにも、日本の人は
紅葉を見つめてきたのですね。
自然にある緑色の多さはよく言われることだけれど、
紅の多さも、そうとうなもの。
だから錦繍と呼ばれるのでしょうが。
そんな染まりきらぬ11月の色。
ちょっと紹介が遅くなった
お菓子「木枯らし」です。
【櫨紅葉】
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黒みがかった蘇芳(黒みの赤)と黄による、かさねの
色目。うるし科の櫨の葉が紅く染まった様子を表わし たもの。同じ「櫨紅葉」にも黄・淡朽葉・紅・蘇芳な ど6色をかさねる色目もあります。櫨にちなむ色目に は朽葉と黄をかさねる「櫨」、黄・丹・朱など7色を かさねる「黄櫨紅葉」など。身近な木だったようです。 |