かれの − 枯野
冬枯れの野をあらわす黄と淡緑のかさね色
草木が黄枯れた野は
もの寂しく感じられるように思いますが
冬の暖かい日に
冬枯れの景色を見に出かけ
お酒を酌み交わす楽しみもあったようです。
それは、何事も楽しみに変えてしまう
江戸の人たちの過ごし方。
その冬枯れの野にちなんだ配色が
このお菓子の色あいなのですが
見ためには、いまにも香りそうな
柚子がかたどられています。
口にしたら、きっと柚子の香りが広がるはず
と思っていたら、まったくの予想外でした。
ほんのり甘みのあるおもちには
きざまれた栗が散らされ
「粟もち 秋音」の名にふさわしい
秋の食感でした。
【枯野】
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黄と淡い青(緑)の配色。雪や霜によって黄枯れ
ていく野を表わす色あわせで、『枕草子』に登場 しています。冬の装いにとり入れられた色です。 似た配色の「枯色」は、淡香と青(緑)による配 色。ひと色による「枯色」もあり、こちらは草木 の枯れたような、やわらかい赤みの黄色です。 |