うすはなざくら − 薄花桜
ほんのり紅みのかさね色
鏡開きをすれば
お正月気分も薄らいできます。
もう街は、いつもと変わりなく感じられますが
和菓子では、まだまだ新年を楽しめます。
二〇〇九年最初のお菓子は「えくぼ」という名の
薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)。
漢字がつらなると難しそうですが
自然薯(じねんじょ)をすりおろし
米の粉をねりこんだ生地で小豆餡をくるみ
蒸し上げたものです。
今月は、睦月。
陸びあう月にちなみ
いちばんに紹介したかったお菓子です。
順風とはいかない世の中ですが
笑う門には福来たるといいますから
このお菓子のように笑顔でいられればと思います。
このような白と淡紅の組みあわせが
かさねの色目でいう薄花桜。
桜は、まだしばらく先ですが
新年の祝いと、花はやはり桜にちなんで
このお菓子と色目になりました。
【薄花桜】
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表に白、裏に淡紅をかさねた色目。白と紅をかさねる説も
あります。かさねの色目は、平安王朝に生まれた、きもの の表地と裏地をかさねる色あわせのこと。この薄花桜は、 山桜の花の色をうつしたもので、季節でいえば春になりま す。また、紫みの青の一色を薄花桜という場合もあります。 |