うめがさね − 梅重
紅梅の花たちのかさなり
雪見障子をあけると
庭には白雪。
清澄な眺めです。
ですが、この時季
古い民家の部屋という部屋は底冷えで
身動きするのもおっくうなほど。
家に冬ごもりというより
ひと部屋にこもってしまうほどです。
こもればこもるほど
なぜか寒さに弱くなっていくもの。
この生活から抜け出すにはと考えて
目から暖をとることにしました。
暖かい色みの花を
小ぶりなピッチャーに、ワイングラスに、漆の皿に
少しずつ飾って、棚の片隅に、鏡の前に。
目にふれるところに置くと
ひととき寒さを忘れます。
かつて、手あぶりくらいしかなかった時代は
今より、もっと寒かったはず。
身につけた紅梅の色みから
暖をとったのでしょうね。
【梅重】
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濃い紅と、甘さのある紅梅色、2色をかさねた配色です。
紅梅の花のかさなりを表したとされています。別の説に、 白と紅梅色もあり、そちらは白梅を表した配色。どちら の色みも、11〜2月までの冬に身につけられたもの。ち なみに、このかさねの色めを構成するひと色「紅梅色」 は、紅梅の花の色を表した、ほんのり淡い紅色です。 |