はいざくら − 灰桜
はんなりくすんだ桜色
くるりと薄衣に守られた
箱入りのお嬢さまような「福梅」です。
1月のお菓子として並ぶことが多いのですが
花どきを考えてでしょうか
今月もまだ見ることができます。
姿は、梅の花なのだけれど
白梅でも紅梅でもない色は、灰桜。
かすむような色あいも、しとやかな印象です。
東京では寒桜が見られるようですが
こちら仙台は、まだしばらく先。
おなじ東北でも隣の山形では
冬に咲く桜として啓翁桜が知られています。
桜を咲かせた吉永啓太郎さんの名をつけた桜は
天にまっすぐ向かう枝ぶりが
なんとも伸びやかです。
お花見といえば桜ですが
子どものころのお花見は、たしか梅の木の下で。
それが、お花見だったのか、ひな祭りだったのかは
かなりあいまいなのですが。
春の陽射しと、見上げたときの梅の花、広げたお弁当。
お花見といえば、その光景が浮かんできます。
【灰桜色】
|
|
やや黄みの薄墨をとかした桜色。わずかに渋
みのある色になります。似た色名に桜鼠があ り、こちらも灰みがかった桜色ですが、墨染 桜とも呼ばれるくらいの落ち着いた色みにな ります。それより明るい色みが、灰桜です。 |