くろとくさ − 黒木賊
黒みがかった灰緑と白のかさね
この色名を見ると
どうしても黒服の山賊が浮かんできます。
渋みがかった色あいに品があり
山賊といっても頭領の風格
といったイメージがありました。
ですが、この色に類する木賊色は
武家に好まれた色あいでもあるそう。
山賊と武士で
当たらずとも遠からず。
粋で渋みのある色あいが
武家好みだったのでしょう。
お菓子にぽんと押されているのは
松をかたどったもの。
ふりかかった雪の下から松がのぞく情景を表した
「松の雪」と名づけられたお菓子です。
いよいよ年末ともなると
新しい年をにおわせる松が
お菓子にあしらわれるようになってきました。
【黒木賊】
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濃い緑と白のかさねの色目。四季を通して身につけら
れた配色です。似た色目に、木賊があります。そちら は、この色目より明るい、萌黄と白のかさね。木賊と はシダ植物のトクサのことで、木賊のかさねの色目は、 その茎の色を模した色あいです。ちなみに、この黒木 賊の色目は、祝いの席では避けられた配色のようです。 |