こおりがさね − 氷重
淡い黄茶と白のかさね
2010年しめくくりの日。
「和の菓 和の色」ブログで紹介するお菓子も
100個めになりました。
そのお菓子、「風花(かざはな)」です。
風花とは、冬晴れにちらつく雪のこと。
風に舞う花のように
吉祥文様らしい雪がかたどられています。
お干菓子の
淡い黄茶のほうは、和三盆の極上のもの。
白いほうは、さらしたもの。
ふたつの色の重なりが
この時季にふさわしいかさねの色目、氷重になります。
どちらのお干菓子も口にふくむと
すーっと跡形もなく溶けていきますが
あとをひくおいしさ。
「和の菓 和の色」も
そのような、ありようになれればと思っています。
遊びにお越しくださったみなさま
ありがとうございます。
コメントをくださった方々
いつもあたたかい眼差しをありがとうございます。
今年も残すところ、あとわずか。
どうぞ、よい年をお迎えください。
【氷重】
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卵の殻の色である鳥ノ子色と、白色による、かさねの
色目。冬に身につけられる配色です。『狭衣物語』に、 雪が積もって凍りついた呉竹の枝に、氷重の色目の文 を結ばせたといった場面が出てきます。お干菓子の中 段の情景は、それを模したのかもしれません。「氷重」 と似た配色に、白と白をかさねる「氷」の色目もあります。 |