しろ − 白
古来より清浄でけがれのない色
大晦日の夜。
きれいにたたまれた
真新しい下着が枕元に置かれていました。
年があらたまったら
新たな気持ちではじめるように
との思いからだったのでしょう。
子どものころは、その白い下着を見ながら
一年の締めくくりと
迎える新年に思いをはせ
特別な気分になっていたことを思い出します。
いつのころからか、それは途絶え
大晦日も新年も
日常に近づきつつあります。
まだ今も師走のただ中で気は急いていますが
松と千両を和紙でくるりと巻いて
赤い水引で結んで飾ったら
少しあらたまった空気が流れはじめました。
心の内からも静まりたいと
今日いただいたお菓子は「雪餅」という名のきんとん。
静かにしずかに落ち着いてと
自らに語りかけながらいただいて、少し深呼吸。
今年もあと7時間ほど。
どうぞよい年をお迎えください。
【白】
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白といっても完全な白は存在せず、わずかに黄みや
青みをふくんでいます。古来と現代の白の捉え方に はかなり開きがあり、今よりもっと広範囲な明るい 色をさしていたと考えられています。科学的な白さ より、雪ざらしされた楮(こうぞ)や布のようなあ たたかみのある白を好ましく感じるこのごろです。 |