くろとくさ − 黒木賊


黒みがかった深緑と白のかさね色


賊という字のせいか
黒木賊の色目から、どうしても山賊や盗賊が
浮かんできてしまいます。

色みの渋さとあいまって
賊軍の首領といった印象です。

木賊色を黒みがからせた深緑と
白をかさねた配色が、黒木賊になります。

木賊色といえば
武士に好まれた色みであったことから
想像していた荒々しいたたずまいは
当たらずとも遠からずといえるかもしれません。

武士のなかでも白髪まじりの年配者が
身につけた色みらしく
木賊と白の相性の良さは
南北朝時代のころから意識されていたようです。

ちなみに植物の木賊は、まっすぐに伸び
鋭さをもちあわせた草です。
ものを磨く草であったことから、砥草とも言われました。

このお菓子「時雨(しぐれ)」に走る
端正な線にも、どこか通じている気がします。



【黒木賊】
黒みの青と白による配色。かつては緑のことを「青」
と表現したため、実際には深緑と白の配色になります。
ちなみに「木賊」のかさねの色目は、萌黄と白の配色
で、植物の木賊の茎をあらわしています。木賊の衣は、
鎌倉時代や南北朝時代の軍記物に登場しています。黒
木賊は、祝いの席には避けられた色目とされています。





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