わかくさいろ − 若草色


野辺にひろがる緑の冴え色


いまごろ?
と思われるかもしれません
春告鳥とも呼ばれるうぐいすは
初音が聞かれるとされる如月の季語。
そのころから、うぐいすの姿をかたどった
お菓子が並びはじめます。

ですが、「うぐいす餅」となると
卯月の季語になります。

このうぐいすについて
つい最近まで間違って覚えていました。
梅にうぐいすの絵柄も、うぐいすパンも、餡も
どれもが明るく冴えた色だったので
それら若草色を、うぐいす色だと思いこんでいました。

あの涼やかなさえずりは
緑鮮やかな鳥によるものとばかり思っていたら
木々に身を隠しやすい羽色の鳥だったとは。
能ある鷹は爪を隠すといいますが
能ある鶯(うぐいす)は姿を隠しつつ
どこからともなく
美声を響かせるものなのですね。



【若草色】
 
弥生のころ芽吹いた黄みのある萌黄色が、陽
射しをあび緑濃くなってきたのが若草色。明
治に生まれた色名とも言われています。ちな
みに、鶯色(うぐいすいろ)は黒と茶を含んだ
褐色のような暗緑。それをさらに渋くすると
早蕨色(さわらびいろ)に近づきます。




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