うのはないろ − 卯花色
初夏に咲く雪の色
白といえば冬
という思いがあったのですが
この時季にも雪色を見ることができます。
夏雪草。
青葉にふりつもった雪のように見える
「卯の花」のことです。
卯の花が咲く月を、卯月というほど
親しまれてきた花。
旧暦の四月をいい、ひと月遅い新歴では
ちょうどいま頃になります。
風流に花が浮かべばいいものを
どうしても先に浮かぶのは
おからの卯の花のほう。
あたたかみのある乳白色を思いがちですが
冴えた乳白色といえばよいでしょうか。
さわやかな色みになります。
この花が咲くころに続く長雨を
卯の花腐しとは、よく言ったもの。
このところの仙台は、しとしと五月雨です。
【卯花色】
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わずかに青みのある白。万葉の頃から卯の花は
歌に詠まれ、平安期にはかさねの色目として登場 します。表に白、裏に緑系の色をかさねた、四月に 身につける色目。おなじ白を使った色目でも、秋 に登場する白菊は、赤みのさした白になります。 |