まつばいろ − 松葉色
松葉のようなくすんだ黄緑
梅にちなんだ色は、梅染、梅鼠、梅紫とありますが
どれも赤みがかった色ばかり。
この青々とした色からいえば
梅とはあまり関係のない松葉色になります。
入梅の頃に実を結ぶ「青梅」は
いかにもおいしそうに見えますが
毒があるとも言われます。
それでも食べたという方に、つい先日、出会いました。
「とても渋くて食べられたものではないんですが
子どもの頃は、よくかじったものでした。
食べるもののない時代でしたから」
たぶん60年ほど前のことでしょう。
昔を懐かしむお話をうかがったとき
あまりの時代の変わりように
戸惑いを覚えることがあります。
それでも季節がくれば、あたりまえのように
青梅をかたどったお菓子をいただく自分もいて……。
いまを、ありがたいなと思います。
【松葉色】
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松の葉のような、くすんだ黄緑色のこと。松は常緑です
が、松落葉といえば夏の季語。新しい芽を出した後に、 落葉することをいいます。それにちなんで、この時季に 紹介しました。このお菓子、考えてみれば、形は梅、色 は松というとりあわせでもありました。ちなみに松葉色 と似た色に、如月の項で紹介した「常磐緑」もあります。 |