かめのぞき − 瓶覗
ただ一度、藍瓶にくぐらせた淡い色
水無月のお菓子
「時鳥(ほととぎす)」と「浮雲」です。
時鳥に見つけたのは
淡いあわい藍色の瓶覗(かめのぞき)。
藍色は、ヨーロッパでは
ジャパン・ブルーという言葉で通用すると
聞いたことがあります。
明治の初め、イギリスの科学者が
日本各地で藍色の装いをみたことから
その言葉を表わしたのがはじまりだとか。
江戸時代に紺屋が優れた仕事をしたことも
影響しているのかもしれません。
瓶覗もジャパン・ブルーの一種と言えば
この色名をあまり耳にしたことがない人にも
少し身近に感じられるかも。
瓶覗の色で思いだすのは
益子の日下田藍染工房。
瓶覗から黒にちかい濃い藍まで、
一枚ずつかさねの色目のように並んでいるのが
なんともすがすがしかったのを覚えています。
その後、思いがけず藍染めの扇子を母からゆずられました。
それが瓶覗から藍まで濃淡のすっきりしたもの。
暑くなくてもつい広げてみたくなります。
【瓶覗】
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もっとも淡い藍染の色。一度だけ藍にくぐらせた
色です。藍染は布を繰りかえし藍瓶に浸すことで 少しずつ色が深く濃く染まっていきます。この色 名は、ほんの少し藍瓶をのぞいた色という意味に 由来するとされています。一説には、瓶にはった 水に空の色が映ったような色ともいわれています。 |