そらいろ − 空色


晴れわたった空の明るい青


ザブーンと打ち寄せる大波、小波の
「荒磯」です。
和菓子では、観世水や流水の水紋であったり
青海波の整然とした波であったりが多いのですが
こちらは、荒々しく猛々しい
浮世絵の高い波を思わせます。

どちらかといえば、穏やかな波が好みですが
このお菓子を見ていると
ただただ静かな波が続くより
ときに大波、小波、水しぶきとあったほうが
いいのかも、と思えてきます。

いかに波を乗り越えていくかに
人生の機微を見出せる気がするから。

とはいえ、それほど心に余裕があるわけでもなく
まだまだ波間で右往左往。
あっちに揺られ、こっちに揺られ
平常心を保てないのが常ですが。

その都度、目の前にある波を越え
ふと振り返った時に
楽しかったと思えるような
そんな日々を過ごせればと思います。



【空色】
 
晴れた空の色。水色より紫がかっています。色名と
しての歴史は古く、平安時代から使われていた色。
『源氏物語』にも、源氏が歌をしたためたのが、空
の色をした唐の紙。時代によって色も異なるのか、
江戸後期の空色は紫みの色、平安時代は薄墨色とい
う説も。天色を「そらいろ」と読む場合もあります。





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