たんこうしょく − 淡黄色
あさい歴史の淡い黄色
仲秋の名月は、陰暦の八月十五日。
いまの陽暦でいえば、ひと月後。
今年は九月十四日が、その日にあたります。
少し早めに浮かんだ
まんまるお月さまに、跳ねるうさぎは
「お月見お干菓子」。
月の上部にあたる色が
その名のごとく、淡黄色になります。
日本では、雪月花、花鳥風月と
月には、ひとかたならぬ思いがありました。
十五夜の満月をもとに、十六日から二十日まで
少しずつ遅くなる月の出を、
十六夜、立待月、居待月、臥待月、更待月といい
立って待ち、家に居て待ち、臥して待ち、夜更けて待ちと
心情をたとえた呼び名が、ひと夜ごとにあるのも
その表れでしょう。
月をじかに見上げるのではなく
水をはった瓶や盆、酒を注いだ杯に
映して眺めるのも、また乙なもの。
もしも、雨で見えなくても
雨月として、その風情を楽しみたいものです。
【淡黄色】
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黄色の薄い色。明治時代に生まれた色名とする説
もあります。 夏目漱石 が『吾輩は猫である』や 『草枕』で「淡黄色」や「淡黄」という表現を使 っているのも興味深いところ。この淡い黄色が薄 茶がかってくると、鳥の子色や象牙色になります。 |