せいじいろ − 青磁色
磁器の淡い青緑色
「身代わりになってくれるからね」
そう言われて台湾で求めたのは
ねこの形をした
指先ほどの小さな翡翠(ひすい)でした。
壊れたとき、なくなったとき
それは身を挺して
持ち主を守ってくれたということだと教わりました。
命の象徴として尊ばれた翡翠の
その色を模してつくられたのが、青磁です。
中国でつくられはじめた青磁は
やがて朝鮮半島の高麗に伝わり、高麗青磁に。
そして、日本に伝わり佐賀県の鍋島藩でつくられ
鍋島青磁も広まっていきます。
その多くは、美術工芸品。
日常づかいにされる青磁は少なく
ごくごく淡い青みから灰みを帯びたものまで
色に幅があります。
このお菓子「茜空」は
本来の青磁色である中国青磁の色みに近いようです。
青磁色と、夕焼けをあらわす緋色。
かさねの色目にあってもよさそうな
相性のよい配色を教えてくれるお菓子です。
【青磁色】
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中国青磁のような、淡い青緑色。中国から日本に
青磁が伝わったのは、平安時代とされ、その器の 色にちなんで名づけられました。産地によって青 磁の色は異なり、秘色(ひそく)とよぶ場合も。ち なみに高麗でつくられた青磁は、もう少し黄みが かった色。かつて紹介した山葵色にも似ています。 |