かりやすいろ − 刈安色


すすきに似た刈安で染めた黄


秋に花の穂をだす刈安は
どこにでも自生し、刈りやすいことから
その名がついたとも言われています。

すすきのようなイネ科の植物だからというより
刈安の名が、刈り穂を思わせるからでしょう。
どうしても百人一首の天智天皇の歌が浮かんできます。

秋の田の かりほの庵の とまをあらみ わが衣手は露にぬれつつ

秋の田の、仮庵(刈り穂)の庵の屋根のとまが粗いので
袖が夜露にぬれてしまった、という歌です。

新米の収穫も終わり、見まわせば野山も黄葉する時季。
お菓子も「秋の山路」へと秋色に染まってきました。

このお菓子、仙台ではあまり見かけない“こなし”になります。
見ためは、練りきりと変わりませんが、
こし餡に小麦粉を混ぜて蒸し、もみこなしてつくる
京都独特の製法になります。

仙台の限られたお店で、期間限定でつくられているため
その期間を待っての楽しみとなりました。
もっちりした重みのある食感。
練りきりとの違いもまた、味わい深いものです。




【刈安色】
 
○やや緑みのある黄色。刈安で染めた色になります。
中国から渡ってきた刈安は、色名も古く、奈良時代
から文献に登場するほど。庶民の衣服の色でもあり
ました。八丈島の絹織物である黄八丈は、八丈刈安
(別名コブナグサ)で繰り返し染めた色になります。




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