そがいろ − 承和色
○承和の帝に愛された黄菊の色
大輪の菊の幾重にもかさなる花びらを、優美に感じ
可憐に開いた小菊を、かわいらしいとも思います。
菊に種類があるのを知ってはいても、
お供えというイメージがあるからでしょう。
花を贈るときも、部屋に飾るときも
どうしても避けてしまいがちです。
それが、いまから1100年以上も前に
帝であった仁明天皇は
菊をとても好まれたといいます。
不老長寿の象徴とされた花。
その花を植えて宮中を彩りました。
なかでも帝が好んだのが、黄色い菊でした。
その色は衣装にも用いられ
承和色と呼ばれるようになります。
匂いたつように艶やかな黄色は
先日、秋田路で見た黄葉の色と重なりました。
お菓子の「秋のもみじ」も、色づきはじめたころ。
これから山々が紅がかっていくのにあわせ
お菓子の赤みも増してきます。
【承和色】
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黄色い菊の色。平安時代の承和(じょうわ)年間に好
まれた色が、いつしか「承和(そが)」に転じたとさ れています。承和色からは少しそれますが、かさね の色目にある「枯野」は黄と淡い青をかさねたもの。 青といっても古くは緑であったことから、このお菓 子の黄と緑のあわせ方と、ほぼ同じになります。 |