きくちば − 黄朽葉


王朝人も好んだ黄みの落葉色


いつの間にか街も、すっかり秋の色。
はらはらと落葉が舞っています。
お菓子も晩秋を思わせる景色になりました。

色みは秋なのだけれど
なんだろうと近づいてみたら
黄朽葉のいただきに渡した枝に
柿がぽつんと残っています。

来年もまたよく実りますようにと
ひとつ残しておく、木を守るおまじない
「木守り(きまもり)」でした。

柿だけでなく、みかんや柚子など
実のなる木には、おなじ風習があるそう。
そういえば山菜採りでも
根こそぎ採らず、少し残しておくのがならい。
それは、いのちの連なりを考えてのことでしょうが
木守りの柿も、わけがあってのことでしょうか。

神さまへのお供えなのか
鳥たちとわけあうためなのか。
柿の実ひとつの情景にも
想いがあるものなんですね。




【黄朽葉色】
 
イチョウの黄葉のような色。朽葉色として茶がかった
赤黄もありますが、朽葉でも黄みがかったのを黄朽葉、
青みを青朽葉、赤みを赤朽葉と、清少納言のころから
呼びわけられていました。かさねの色目にもあり、黄
朽葉は黄と朽葉を重ねた配色。晩秋から初冬にかけて
身につけられた色みです。




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