こうばい − 紅梅
一千年つづく流行色
ふくふくとしたほほ笑みのように見える、
このお菓子は「福梅」。
一年のはじめに作られる花のお菓子に、
新年を寿ぐ「福」の字が添えられています。
その名のとおり、梅の花の紅い色。
平安時代には、王朝の女性たちが新春に、
紅梅の襲(かさね)をまとったといいます。
その時代に「今様色(いまよういろ)」とも呼ばれた、
まさに旬の色。
いまも女性に好まれるこの色は、
一千年も前からの、流行色でもありました。
どれほど時が過ぎても、
美に対する感覚は、
それほど差がないのかもしれません。
つい先日の初詣、あなたはどのような色に
身をつつまれたのでしょう。
【紅梅色】
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淡く紫がかった紅の色。平安中期の今様色は、紅梅の
花の色に似た濃いめの色だったようです。冬から春に かけて装う襲色のひとつ「紅梅匂(こうばいにおい)」 は、紅梅と薄紅梅をかさねた愛らしい色あわせ。時代 がさがって室町時代には、白と紅梅をかさねた「雪の 下紅梅」という、自然を映しとった色あわせも登場し てきます。 |