ひ − 緋


尊さのある華やぎ


お祝いの席やお茶席の緋毛氈(ひもうせん)、
巫女さんの緋袴(ひばかま)など、
見かけることはあっても、
お菓子にこの色を見つけるのは、
ほとんどあきらめていました。

それは、太陽の色であり、炎の色でもあるから。
それが、こんなに澄んだ色であったので、
思わず見とれてしまいました。

このお菓子は「火祭」。
1月14日に行われる、
どんと祭をモチーフにしたものです。
地域によって、どんど焼きとも言い、
境内でお正月飾りやお札などを焚くお祭り。

炎に手をかざし暖をとりながら、
夜空を照らす炎と、
舞いあがっていく火片を見つめていると、
つい手を合わせたくなります。
昨年の感謝と今年の願いをこめて。
そんな敬いの気持ちを感じさせる色です。




【緋色】
 
黄みがかった鮮やかな赤のこと。「あけ」とも読み、
飛鳥時代には「真緋(あけ)」として冠位十三階の上か
ら四つめにあたる色に定められています。濃く染めた
「深緋(こきあけ)」、浅めの「浅緋(あさあけ)」、能
の装束に使われる「猩々緋(しょうじょうひ)」など、
緋色の種類もさまざまです。




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