すおう − 蘇芳


生命もゆる紫みの暗赤色


急に冷えこんだので
ホワイトクリスマスかも、と思っていたら
少し寒さがやわらぎ
仙台は、おだやかなイブとなりました。

そうなると、白いクリスマスに出合いたいもの。
白雪のようにも見える「しもばしら」です。
そこに、ちょっと添えられた葉の色が、蘇芳になります。

そういえば、この冬
はじめて赤い葉がのぞきました。
数年前のクリスマスにいただいたポインセチアに
水をあげ続けていたら
手のひらに収まるくらいだったのが
ひょろりと伸びて1メートルほどに。
いつもは緑のままなのに、
今年は、ぽっ、ぽっと、赤い葉が……。

夏に、さらに大きな鉢に植え替えたせいなのか
陽をたっぷりとあてたせいなのか、よくわかりませんが。

色を忘れずにのぞかせた葉が
ちょうど、このお菓子の葉のよう。
ふと目にふれる赤もうれしくて
なんとなく気分もあたたかくなるのです。




【蘇芳色】
 
くすんだ紫がかった赤。赤系統のなかで、もっとも紫
寄りの深い赤とされています。平安時代では紫に次ぐ
高位の色。清少納言も好んだ色で、古代の人は生命を
表す血の色に似ていると考えたようです。襲の色目に
は、蘇芳と黄をかさねた蘇芳香(すおうのこう)があり、
四季を通じて身につけられました。




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