ときいろ − 朱鷺色
天の羽衣のような翼色
季節のさきがけとなることの多い
和菓子ですが、
桃の節句を過ぎても名残を惜しむように
桃にちなんだお菓子が並んでいます。
ふっくらした「西王母(せいおうぼ)」もそのひとつ。
中国の仙女、西王母がいる園に
三千年に一度実るという
不老長寿の仙桃の故事にもとづいたものです。
ほんのり染まったこの色、
どこかで見たことがあると思ったら
トキの羽根の色でした。
「桃花鳥」と日本書紀や万葉集に記されるトキは
中国では吉祥をよぶ鳥とされています。
国の天然記念物で、
この秋には佐渡で放鳥されるとか。
江戸時代には、ごく身近にいたトキの姿を
また眺められる日が近づいています。
夕焼け空を舞う朱鷺色はさながら
天の羽衣のようかもしれません。
【朱鷺色】
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やや黄みがかった淡くやさしい桃色。鴇色とも 記されます。この色名は江戸時代に生まれたも ので、きものの染め色として若い女性に好まれ てきました。似た色に、洗朱(あらいしゅ)、 浅緋(あさあけ)、珊瑚色(さんごいろ)など があり、黄みをふくむ緋色の系統といえます。 |