やなぎいろ − 柳色
都の春のしだれ色
まったく意識していなかったものに
ふと気づくことがあります。
学生時代は気にもとめていなかった
柳に桜のとりあわせが
車窓を過ぎていく京のまちに見えたとき
こんなに身近に、と思ったものです。
どのようなこともそうですが、
気づくようになると、
とたんに目にすること、耳にすることが
多くなる気がします。
いままで何を見ていたのだろうと思うばかり。
まだ気づいていないことが
どれほど膨大にあるのでしょう。
自分の中にある、うっすらとした関心事に気づくこと。
そこから、はじまるのかもしれません。
その気づきとなった「花くれない」です。
「柳は緑 花は紅」にちなんだお菓子は、
和菓子に季節の色が秘められていることを
おしえてくれました。
【柳色】
柳の若葉をあらわした色。萌黄色より、やや
黄みがかった渋みのある色になります。葉の
裏の白さをうつした、葉裏色という色名もあ
ります。柳色は平安期からある色名で、かさ
ねの色目も多種。柳、青柳、花柳など、いず
れも冬から春へとむかう時期の装いの色です。
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