はねずいろ − 朱華色
うつろいやすい上位の淡紅
ようやく見つけることができました。
弥生の時季に、はねず色。
じつは昨年、葉月の頃にとりあげたとき
春の色なのでは、と教えてくださった方がいました。
京都の山科にある随心院の紅梅が、はねず梅と呼ばれ
花の咲く三月に、はねず踊りが行われるのだそう。
小野小町の伝説にちなんだ踊りとされ
はねず色に染まったきもの姿の女性たちによる踊りも
はんなりしている様子。
こちら仙台では、はねず踊りはありませんが
それにちなんだかのような
はねず色のお菓子「梅の香」です。
この色、子どもの頃から見ていた覚えがありますが
あまりの匂いやかさに、気遅れしてしまう色でした。
それが、いつの頃からか少しずつ
気になる色になってきました。
もしかしたら、心のどこかで
はんなりした部分を持ちあわせられればと
思っているのかもしれません。
【朱華色】
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白みをおびた淡い紅色。庭梅や蓮の花のような
淡紅色とする説、ざくろの花のような黄赤色とす る説もあります。天武天皇の御代に親王以上に 許された、位のある色です。色があせやすいこと から、うつろいやすさの枕詞としても使われました。 |