れもんいろ − 檸檬色
香りすがしき色
かじった果皮から
トパアズ色の香気がたつ情景を
どんなに爽やかだろうと思いはしても
いまだに試したことはありません。
薄いひときれを紅茶に浮かしたり
小さく銀杏切りにして
サラダに散らすのがせいぜい。
あまり酸味は得意ではないけれど
はじめてレモンをおいしいと思ったのは
たしか中学の頃。
スポーツの後、口にした
はちみつ漬けの一枚でした。
ぐったりとしていた体と心が
一瞬にしてシャワーをあびたような気分に
包まれたものです。
その味とともに思い出す、甘酸っぱいできごと。
あの遠い春の日にも
「胡蝶」の姿がありました。
【檸檬色】
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レモンのように冴えて緑がかった黄色。レモン
・イエローのことです。檸檬色と書くと古くか らの色名に思えますが、伝統の色ではありませ ん。レモンそのものが明治初期に日本に伝わっ たもの。日本に古くからある柚子(ゆず)の色 名がなぜないのか、不思議なくらいです。 |