もえぎ − 萌黄
萌えいづる黄緑
このたびの震災に際し
お気づかいありがとうございます。
まだ灯油がゆき渡らず
寒さの心配はありますが
ふと気づけば庭先には
緑の葉がひゅっと伸びていました。
季節は着実に、春に向かっています。
都市ガスの復旧待ちで
お休みの和菓子屋さんもありますが
いつもと変わらぬように迎えてくださる
和菓子屋さんもあります。
上生菓子も並んでいましたが
目をひいたのは麩焼きせんべい。
春の野に咲く「早蕨(さわらび)」です。
いつものように季節を感じられる和菓子に出会えること
いつものように暮らせること。
なんて恵まれているのだろうと感じます。
そして、あたり前のようにお店を開いている
静かな心意気も、東北らしいと思うのです。
【萌黄】
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芽吹いたばかりの、淡々とした黄緑。読みは同じ「も
えぎいろ」でも、萌黄色は黄みがかり、萌葱色は緑が かった色のこと。『源氏物語』にも登場する伝統色で、 春の色といえば、まず浮かんでくるのがこの色です。 春を待ちわびる東北で、最も愛される色ともいえるで しょう。萌黄色を眺めていると、心も浮き立ってきます。 |