せきちくいろ − 石竹色


唐撫子のような淡紅色


卯月とはいえ、もうすぐ端午の節句。
やんちゃな感じのするお菓子
かぶとをかたどった「端午」です。

男子の成長を願うお菓子にしては
かわいらしい配色。
おめでたい紅白かとも思ったのですが
端午の節句は、もともと女性の節句だったそう。

田植えの前に早乙女が
菖蒲などで葺いた家にこもって
身を清める神事を行っていたといいます。
それが、鎌倉時代になると菖蒲が
武術を重んずる「尚武」に通じるとされて
男子の節句となり
室町時代には、かぶと人形もつくられるようになりました。

そう思うと、このお菓子、形はかぶとであっても
早乙女をも意味しているような……。
そして、色は撫子色よりもやや濃い唐撫子の色。

なんとなく
弱いだけではいられない現代女性を
元気づけるお菓子に思えるのは
気のせいでしょうか。



【石竹色】
 
石竹とは、中国から渡ってきた唐撫子のこと。その
花のような淡い赤紫。日本にもとからある河原撫子
の撫子色より、やや黄みがかっています。石竹は六
月の季語で、かさねの色目の「唐撫子」は紅と紅を
かさねた夏の配色。少し早めの紹介になりました。





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