うすはなざくら − 薄花桜
淡く紫がかった青
かわいい千鳥に見えますが
この時季なので、「ほととぎす」です。
葉桜のころを迎え
お菓子には夏を代表するほととぎすが
並びはじめました。
「春の花 夏ほととぎす 秋の月 冬雪さえて冷しかりけり」
と詠んだ道元禅師。
ほととぎすの名はよく目にしても
最近は、その声をきくことはあまりありません。
身近な鳥といえば
ときおり塀の上をじっと見つめるネコの反応から
小鳥の訪れに気づくくらい。
花鳥風月を愛でるには、ほど遠い毎日です。
それでも、ふと庭先に目をやれば
ほんの少し花色を見せはじめたつつじのつぼみや
日々成長するぎぼうしの葉に
季節の移り変わりを感じます。
なにげない日常が
とても愛おしく思えるこのごろです。
【薄花桜】
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桜の名がついていても、ひと色のときは、なぜか淡く
紫がかった青。薄い花色をあらわしています。このお 菓子でいえば、ほととぎすの色です。わかりやすいの は、かさねた配色で見せる、かさねの色目のほう。同 じ「薄花桜」でも、白と淡紅をかさねて山桜の花の色を あらわします。さて、このひと色の薄花桜は、なんの 花色をあらわしたものでしょう。興味をひくところです。 |