あさぎいろ、なのはないろ − 浅葱色、菜の花色


青みがかった葱の色、まばゆい菜の花色


桜のたよりを聞いたかと思えば
ぐっとあたたかくなって
新芽がひゅんひゅん伸びてきた
このところの仙台です。

そんな陽気が続くと
涼やかな、さらりとした色や素材のものに
つい目がとまります。

いい色だなあと思うと浅葱色
ということが、よくあります。
多くは装うものが多いけれど
たまに和菓子にも見つけることがあって
そのひとつが、この「蝶」のお菓子。

ぽつん、ぽつん、とあしらわれた
いちばん上が、浅葱色。
その下が、菜の花色。
野原を、水辺を、舞い飛ぶ紋白蝶を思わせます。

透明感のあるお菓子は、琥珀糖と呼ばれ
シャリッとした砂糖の薄衣の中から
きらりとした寒天があらわれ、さながら宝石のよう。

萌え立つ春、きらきらとした陽射しを感じながら
いただきたくなるお菓子です。



【浅葱色、菜の花色】
 
春らしい菜の花色は、鮮やかな緑みの黄。初夏を感じ
させる浅葱色は、鮮やかな緑みの青。このお菓子では、
蝶の羽にあしらわれた色になります。浅葱色は藍で染
めた淡い青で、『源氏物語』や『枕草子』にも登場し
ます。さわやかな色みなのに江戸時代には不粋な色と
されていました。色に歴史あり、と言いたくなる色です。





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