かめのぞき − 瓶覗


淡くとけゆく藍の色


ある色名を思い浮かべたとしても
色の感覚は、人それぞれ
微妙に異なっていることでしょう。

まだ和の色に興味をもつ前は
まぎれもなくこの色という
一つの明解な答えがあるのかと思っていました。
そんなに数値で割りきれるはずもないのに。

それでも和の色に通じる感覚をと思った時
おしはかる基準にしようと思ったのが
この色でした。
どこまでも淡い藍が、
どのような色で表されているのだろう、と。
ですが、はっきりと自分の中に見いだせないまま。

いつか出あえるのではと
かすかな思いを抱いていたところ
ようやく出あえた、このお菓子。

「水温む」をのぞきこむと
そこには空の青さが映ったような
淡い世界がありました。



【瓶覗】
 
もっとも淡い藍染の色。一度だけ藍にくぐらせた
色です。藍染は、布を繰りかえし藍瓶に浸すこと
で少しずつ色が深く濃く染まっていきます。この
色名は、ほんの少し藍瓶をのぞいた色という意味
に由来するとされています。一説には瓶にはった
水に空の色が映ったような色ともいわれています。




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