わかみどり − 若緑


晩春に立つ、松の新芽色


美しいものには棘がある
といいますが
うつむいた可憐な「すずらん」に
毒があると知ったときは
意外な気がしました。

野に咲くけなげな花は
身を守るために毒を宿したのでしょうか。
すぐそばに松葉のような剣をもつ花守がいたら
ゆったり安心して
いられたのかもしれません。

すずらんより少し早く顔を出す松の新芽は
天に向かってまっすぐに伸びる、凛々しい姿。
若緑から深緑へと色を変えても
四季を通して緑のままです。

日本の樹木を代表する松を守役にすれば
ずいぶん心強いことでしょう。

そんな夢物語を浮かばせた
まるみのあるお菓子です。



【若緑色】
 
淡く黄みがかったみずみずしい緑。とくに、松の
新芽のことを若緑といいます。松は若緑、若松、
老松と色を深めていく常緑樹です。ちなみに、卯
月に紹介した若草色は若緑よりも濃く、如月で紹
介した浅緑は若緑よりくすんだ色みになります。




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