みずいろ − 水色
平安からつづく涼やかな色
貝合せで遊ぶような
二枚貝をひらいてみると
なかから出てきたのは
初夏らしい色に染まった蟹のお干菓子。
「磯遊び」という銘もかわいらしく
眺めてはすこし動かし
閉じては、また開きをくり返しています。
水色というと、子どもの頃から
なじみのある色で、身近すぎるほどですが
歴史は古く、平安期から使われています。
淡い色あいのせいか
素直すぎる色名のせいか
あまり重みを感じさせません。
かえって同じ色をさす
水縹(みずはなだ)のほうが和の色らしい響き。
それでも水色のほうが一般化しているのは、
わかりやすい色名だからなのでしょう。
長く残るというのは、なにごとも
そういうことなんですね。
【水色】
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水のような色を表す、淡く澄んだ緑みの青。水
縹と同じ色とされています。縹色(はなだいろ) とは、薄い藍色のこと。水色、水縹どちらも、 皐月の最初に紹介した瓶覗(かめのぞき)より、 すこし濃いめの色になります。 |