つつじいろ − 躑躅色


花色をうつした鮮やかな紫みの赤


庭先にあるつつじの
小さなつぼみが日増しに大きくなり
少し口を開いたかと思っていたら
その翌日には、ぱっと花びらを広げていました。

それも、燃えるような花色で。
こんなに、まぶしいほどに咲く花だとは
今まで、あまり気がつきませんでした。

つつじといえば、恋の歌として
古今和歌集に詠まれています。

思いいづる ときはの山の岩つゝじ 言はねばこそあれ 恋しき物を
(思いだす常盤山の岩つつじ、言わないからこそ恋しいものを)

そんな言うに言えない恋心を
ちらりとのぞかせているようなお菓子を見つけました。
「岩根つつじ」です。

五月には、つつじのお菓子が
さまざま並びますが
どれも本来のつつじ色より、やさしい色あい。
鮮やかさをちょっと抑えた
おいしい色になっています。



【躑躅色】
 
つつじの花のように、紫がかった鮮やかな赤い色。お
菓子の、花色の部分にあたります。平安時代から、か
さねの色目として身につけられた「躑躅」は、黒味が
かった赤紫の蘇芳色と、冴えた黄緑の萌黄色の組み合
わせでした。躑躅のかさねと、躑躅のひと色。同じ色
名でも、時代によってずいぶん印象が異なるようです。





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