そひ
茜がかった淡い緋色
東京の浅草では七月九・十日がほおずき市。
こちら仙台に、市は立ちませんが
文月に実がなることから
「洛神珠」として並びました。
この名は、中国語でほおずきのことだとか。
ほおずきの名はほかにもあって
赤かがちともいいます。
赤かがちのような眼といえば
八岐大蛇(やまたのおろち)の眼を表わしてもいます。
子どものころ過ごした島根県石見地方では
お祭りの締めくくりといえば
石見神楽の「大蛇(おろち)」でした。
八岐大蛇を須佐之男命(すさのおのみこと)が
退治する物語なのですが
舞台に八頭の大蛇がとぐろを立てて並ぶさまは
悪役とはいえ、絢爛でさえありました。
その眼が、赤かがちのようだったのか
はなはだ記憶はあいまいです。
ほおずきの先を染める薄い赤みのように
思い出もおぼろげなのでした。
【そひ】
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淡い緋色、黄みのある赤色ともいえます。朱がかっ
た緋の系統は茜染め、赤みのある紅の系統は紅花染 め。色みの系統によって染料も変わってきます。ち なみに緋色は、茜で繰り返し染めた色。そひに似た 淡い緋色には、浅緋、洗朱などがあります。 |