こはくいろ − 琥珀色


透きとおった樹脂の化石色


いまでこそ甘いものを
いただくようになりましたが
かつては、ほとんど口にすることがありませんでした。

どちらかといえば
グラスに注がれた琥珀色を光にかざし
色を楽しみ、香りを楽しみながら
静かにいただくほう。

それが、いつ頃からでしょう。
つんと喉にくる強い香りより
ほのかな甘みのある琥珀色へと
好みは変わってきました。

味覚の変化なのか、心境の変化なのか、体調の変化なのか。
セピアからアンバーへと写真の好みが変わるように
穏やかなときを好むようになってきたのも
なにかしら通じるところがあるのかもしれません。

かといって、甘さだけでは物足りず
欲をいえば、ちょっとしたアクセントも
あってほしいもの。

そのほどよさをそなえた「琥珀羹」です。
わずかな塩みを残す大徳寺納豆の
ふた粒がきいていました。




【琥珀色】
 
透明感のある黄みの茶褐色。樹脂が化石となったもの
を琥珀といい、それに似た色のことです。琥珀そのも
のは、旧石器時代から世界で使われ、日本でも古くか
ら「くはく」「赤玉」と呼ばれる宝飾品の一種でした。
日本では、岩手県久慈地方で多く産出されています。
この色名は、近世以降に生まれたとする説もあります。




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